ナルトレキソンはモルヒネに似た構造の化合物で、モルヒネなどのオピオイドがオピオイド受容体と結合するのを阻害する薬です。1984年米国で麻薬中毒やアルコール中毒など薬物依存症の治療薬として認可されました。
最近のがん治療の臨床研究から、依存症の治療に使う量の10分の1位の低用量のナルトレキソンを投与すると、免疫力やがんに対する抵抗力を高めることができることが分かって来ました。
私たちの体は、もともモルヒネ様のオピオイドを作ることができます。これを内因性のオピオイドと言います。内因性のオピオイドの代表的なものにベータエンドルフィンとエンケファリンがあります。マラソン選手が長距離の走りの中で突然苦しみから快感に変わる「ランナーズ・ハイ」や、突然の激烈な外傷を受けた時に「痛みをしばらく感じない」ことがありますが、この時体内で分泌されているのがベータエンドルフィンです。
[ベータエンドルフィンの主な働き]
・強力な鎮痛作用
・抗ストレス作用
・免疫力増強作用・調節作用(炎症の改善)
[エンケファリンの主な働き]
・がん細胞の増殖抑制
・がん細胞の血管新生の抑制
すなわち、低用量のナルトレキソンを投与すると、私たちの身体に本来備わっている内因性オピオイド(ベータエンドルフィンとエンケファリン)とその受容体を増やすことができ、これにより自己免疫力や抗がん作用を増強させ、がんや自己免疫疾患を改善の方向に導くのです。
低用量ナルトレキソン療法は、就寝前に1カプセル(3mgまたは4.5mg)内服するだけの簡便な治療法です。副作用はほとんどなく、人により不眠や鮮明な夢をみたりしますが、2週間ほどで慣れてきます。
低用量ナルトレキソン療法は、高濃度ビタミンC点滴療法やアルファリポ酸点滴療法との併用により制がん作用等に相乗効果が期待できる治療法です。御希望の方は、医師の方まで御相談下さい。
低用量ナルトレキソン療法には健康保険は使えません。自由診療となります。
1ヵ月分9,720円