ビタミンD
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ビタミンDとは
ビタミンDは、発見の経緯からビタミンという名称がつけられていますが、最近の多くの研究からビタミンDの作用の多くが遺伝子を介した反応であることがわかり、一種のホルモン様物質として理解されるようになってきています。
ビタミンDの作用
ビタミンDの作用は、カルシウムのホメオスターシスや骨量維持がよく知られていますが、それだけではありません。
≪遺伝子を介した作用≫
多くの組織では、1α水酸化酵素が存在しており、細胞内でビタミンDを活性化します。(細胞)核内受容体に結合したビタミンDは遺伝子発現を制御し、多くの作用を発揮します。ヒト遺伝子の約3%をビタミンDが制御することがわかってきています。具体的には
1.免疫を調整する・・・がんや感染症、アレルギー疾患発症の制御
2.血糖をコントロールする・・・糖尿病の予防
3.正常な細胞分化を誘導する・・・筋痛・関節痛の制御、健康的な皮膚・髪の維持
4.心血管機能をサポートする・・・動脈硬化の予防、血圧の制御
などです。
こうして、さまざまな疾患や症状の予防・改善に効果が期待されています。
血中25(OH)ビタミンD濃度の測定
ビタミンDは食事(食べ物)から摂取する経路と、紫外線を浴びて皮膚でコレステロールから合成する経路の2つから体内に供給されます。図にあるように体内のビタミンDはその多くが最終的には強い生理的活性を持つ1,25(OH)2ビタミンD(カルシトリオール、活性型ビタミンD)になりますが、海外では一般にその中間生成物である25(OH)ビタミンD(カルシジオール)の血中濃度がビタミンDの体内(特に細胞内)での過不足を表す指標として用いられています。日本ではこの検査はまだ保険適応になっていませんでしたが、近年ビタミンDの重要性に対する認識の高まりから、平成30年より骨粗しょう症の補助診断として、保険診療で検査できるようになりました。
日本人はビタミンD不足
日本人には、例えば下記の理由からビタミンDが不足している人が多いと考えられます。
1.欧米と比べてビタミンD強化食品が少ない
2.安全許容上限が50μg(欧米250μg)と低い
3.日光に当たることが少ない人が多く、紫外線暴露時間が極端に減少してきている
実際、今まで当院で測定した未治療の患者さんのビタミンD濃度は、ほとんどの人が低値(30ng/ml未満)を示しています。
2016年5月、日本のメジャー医学会の一つ「日本内分泌学会」において、血清25(OH)ビタミンD濃度が30ng/ml未満の人はビタミンD不足であると定義されました。骨粗鬆症をはじめビタミンD不足が関係していると考えられる病態の改善のためには、少なくとも血清25(OH)ビタミンDの濃度を30ng/ml以上にすることが必要と考えられます。
当院での治療例
当院では、更年期以降で骨粗鬆症が気になる方、がんの治療(特に大腸がんと乳がん)を受けられ再発を気にされている方、乾癬・リウマチなどの自己免疫疾患の方、花粉症やアトピー湿疹などアレルギー疾患の方、よく感染症にかかられる方などに、ビタミンDの内服療法をお勧めしています。摂取していただくビタミンDは保険薬の活性型ビタミンDではなく、その前駆体であるコレカルシフェロールで、サプリメントになります。
費用について
*25(OH)ビタミンD血中濃度測定費用:2910円(自由診療の場合)
*ビタミンDサプリメント:810円〜1620円(1か月分)
【改編・引用】
株式会社MSS,ヘルシーパス、カリフルニアニュートリエンツ各パンフ
「ビタミンDは長寿ホルモン」(斎藤嘉美著;ペガサス社)
「サーファーに花粉症はいない」(斎藤糧三著;小学館)